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2021.07.05 クリーン化記事

粒子サイズとHEPAフィルターの有効性

HEPAフィルターの性能として「定格風量で粒径0.3μmの粒子に対して99.97%以上の捕集率」があることがしばしば説明されます。それでは0.3μm以下の粒子はフィルターを通過してしまうのでしょうか。


答えは「No」です。実はHEPAフィルターにとって一番捕集しにくいサイズが粒径0.3μm程度の粒子です。それより小さくなってくると逆に捕集効率は上がっていきます。


HEPAフィルターが粒子を捕集する仕組みはいくつかあり、大きな粒子は網目状のフィルターの隙間を通過できずに捕集されますが、小さい粒子は別の仕組みで捕集されます。


粒子の振動とフィルター繊維の吸着力です。空気中を浮遊している粒子はブラウン運動と呼ばれる不規則な熱運動をしています。これにより粒径より広い範囲に粒子が拡散しており、この範囲でフィルターの繊維と衝突します。繊維と衝突した粒子はファンデルワールス力により繊維に捕集されます。帯電している場合は静電気力も働きます。小さな粒子ほどブラウン運動が活発であり、軽くて吸着力が強くなるため、HEPAフィルターに捕集されやすくなります。