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2022.12.09 クリーン化記事

ISO 14644-1とFED-STD-209E

クリーンルームの空気清浄度を表現するのに、例えば「クラス1000」や「ISOクラス6」といった二通りの言い方を見かけます。これらはそれぞれ米国連邦規格とISOに基づくものです。米国連邦規格はすでに廃止されている一方で、未だに広く使われています。

実務上、米国連邦規格でのクラス1000はISO基準でクラス6相当であるといった説明がされることもありますが、実際には定義している内容がやや異なります。この記事ではその経緯について簡単にまとめています。米国連邦基準FED-STD-209原版、FED-STD-209E、ISO14644-1の順で説明します。

米国連邦基準(FED-STD-209)の原版では、クリーンルームのクラスを、光学式パーティクルカウンターを使用して測定した、空気1立方フィートあたりの直径0.5μm以上の粒子数として定義しています。クラス100のクリーンルームは、1立方フィートあたり0.5μm以上の粒子が100個以下であるという意味です。

その後、FED-STD-209改訂版であるFED-STD-209Eでは、クリーンルームのクラスに応じて、0.1μm、 0.2μm、0.3μm、0.5μm、1.0μm、5.0μmの粒子濃度が規定されています。清浄度が非常に高い場合に、統計的に有意な数量の0.5μmの粒子を測定するのに長い測定時間がかかるために、0.5μmより小さい粒子を含むようになりました。

ISO14644-01では、サンプル体積がメートル法に変わったことに加えて、FED-STD-209E換算でカバーされていないISOクラス1、2及び9が追加されています。ちなみにFED-STD-209E基準のクラス1はISOクラスでは3に相当します。ISO 14644の分類では、空気1立方メートルあたりの直径0.1μm以上の粒子数を10の累乗で表現したときの指数としてクラスを定義しています。